出産の立会いについて思うこと
先月都内で妻が出産しました
新型コロナウイルスの感染が拡大している今だからこそ記録に残しておこうと思い、
前回
出産の記録をブログにアップしました
初めての妊娠・出産ということでただでさえ右も左もわからない中、コロナ禍で母親学級も中止になり、周囲の友達や専門家に聞くこともできない状況で迎えた出産でした
ちなみに両親学級や母親学級が中止になり、不安になっている人はこちらの記事を参考にしてください
私は、妻の妊娠がわかった時から立会い出産を希望していたこともあり、実際に自宅で妻が陣痛を訴えてから出産までずっと妻に付き添いました
もちろん出産の現場に立会うことは初めてで、自分の子どもが産まれるということは言葉に言い尽くせない感動がありました
しかし、
実際に立会ってみるとお産に夫って必要ないな、というか邪魔!?
という気持ちになりました
Twitterでもつぶやいてますが
出産の立ち合いを経験して思うこと
— umbrella@子育て役立ち情報 (@umbrell73680637) 2020年12月20日
・立ち合いなんかいなくても出産には何の問題もない
・むしろ助産師にとっては、ただ妊婦のそばにいるだけの男なんて邪魔そうだった(笑)
・妻にとっても余計な気遣いをする人が増えただけのような…
でも、産まれる瞬間を共有できたことは自分にとって一生の財産
当たり前だけど
— umbrella@子育て役立ち情報 (@umbrell73680637) 2020年12月20日
出産の立ち合いの仕方なんて分娩中に聞いたって教えてくれないよ
医者や助産師は妊婦さんとお腹の赤ちゃんのことを考えないといけないんだから、そばで突っ立ってるだけの男に気を遣う時間はない
それでも立ち合いをするなら自分で情報を集めるべき
って過去の自分に言いたい
ということで、立会いを考えている家族の方、特に夫は出産の瞬間から無力感を味わうことになるかもしれません
しかし、立会った経験というのはそれだけでとても価値のあるものです
「お産に夫は必要ない」とか言いながら、私自身は友人に立会いをしようか悩んでいると相談されたら迷わず、立会いを勧めると思います
もちろん妊婦さんの気持ちが第一優先ですが…
この記事では、実際に出産の現場に立会って感じたこと、今考えればこういうことをしておけば良かった、なんていう反省などを交えながら
- これから立ち合い出産をしようと考えている人
- 立ち合い出産をしようか迷っている人
- 実際の立ち合い出産ってどんな感じなのか気になっている人
にとって読んでもらいたい記事になります
立会い出産とは
そもそも立ち会い出産とは、
出産の場に夫や家族が付き添うことをいいます。
一般的に、陣痛室で子宮口が開くのを待ち、分娩室で赤ちゃんを生み出すまでの間、付き添ってもらいます。
であり、2013年の厚生労働省の統計では約53%の「夫」が実際に出産に立会っています
母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査-科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドラインの改訂- | Mindsガイドラインライブラリ (jcqhc.or.jp)
立会い出産の医学的なメリット
ドゥーラ(doula)効果って聞いたことありますか?
ドゥーラ効果とは、近親者や看護師が付き添って精神面での協力をすることで得られる影響。
妊婦が精神的にリラックスするために、分娩時間の短縮や母乳分泌促進などの効果がある。
つまり、妊婦さんを孤独にさせることなく、夫や家族が陣痛から出産まで付き添うことで
- 自然分娩の割合が増加する
- 母乳育児の成功率を上げる
- 母と子の関係を良好にする
など様々な効果があるといわれています
現在は立会いを制限している病院も
現在(2020年12月26日)、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて立会い出産を制限している病院が多くあります
具体的には立会いを配偶者のみに制限したり、そもそも立会い出産を断っている病院も数多くあります
ちなみの私の子どもが産まれた病院(都内の産婦人科病院)は配偶者のみ立会いはができました
しかし現在では、東京都が新型コロナウイルス警戒レベルを4に引き上げた影響もあり、立会い出産をすることはできません
立会い出産ができるのか、ということについては実際に自分の行く病院に問い合わせてみてください
立会い出産をして感じたこと
ここからは実際に立ち合い出産を経験して感じたことについて紹介します
実際の出産の記録については
を見てみてください
何をやっていいかわからない(何もやることがない)
まず、最初の感想としては
俺、何もやることないじゃん
これです
陣痛が始まってからは、妊婦さんは繰り返す陣痛の波に耐え続けます
助産師も時々様子を見に来ては必要な指示・声掛けをしてくれますが、一緒に付き添っている家族に対しては特に声かけはしてくれません
それはそうです、助産師さんは妊婦さんの体調やお腹の中の子どもが無事で産まれてくれることに神経を集中させているのですから
ですから、妊婦さんの隣にいるだけの男に特に用はありません
なので、立会っている配偶者は、自分でやるべきことを見つけなければなりません
立会っている家族の大事な役割の一つに「いきみ逃し」というものがあります
いきみ逃しとは、子宮が全開に開く前にいきんでしまうと母胎や赤ちゃんに悪影響があるので、「いきみたい」という気持ちを逃がす必要があります
具体的な方法としては、
- 肛門を押す(拳やテニスボール)
- テニスボールを肛門に当て、押す
- 横になったり、四つん這いになる
- 呼吸法を意識する
- 腰や尾てい骨をマッサージする
などの方法があります
実際にこういった方法で、陣痛の苦しみが楽になったと話すお母さんは多いようですが、私の妻の場合は
腰を触られるだけで痛い
肛門にテニスボールとかいらない
という状態だったので、いきみ逃しについては全くできることがありませんでした
しかし、何度も繰り返しますが、立会いをしている家族による「いきみ逃し」については効果があったという声はありますので、実際にいろんな方法を試してみながら妊婦さんにとって最適な方法を探ることが最適かと思います
出産に夫は必要ない、むしろ邪魔そう
先に書いたように立ち合いをしている夫は、
やることがない
ということとさらに
居場所がない
ということがあります
産婦人科病院にもよりますが、子宮口が開くまで待機する陣痛室のスペースは一般的にあまり広くはありません
さらに新型コロナウイルスの影響により、カーテンなどで仕切りを作られていることも多く、さらにスペースは狭くなります
なので、立会いをしている家族の居場所があまりありません
これもお腹の赤ちゃんと赤ちゃんのお母さんが最優先ということで我慢するしかない部分ですね
血が苦手な人はやっぱ厳しい
出産は、血が大量に出ます
さらに羊水や胎盤が出ることによって独特なにおいがあります
よく生臭いにおいといわれますが、魚の生臭さよりも数倍きついものがあります
そして時たま分娩中に便が出てしまうお母さんもいるので、生臭いにおい+便のにおいということで想像以上にきついかもしれません
なので、血を見るのが苦手な人、生臭いにおいがどうしてもダメな人については正直立ち合いはおススメしません
どんなに身体を鍛えて体格が良かろうが、過酷な仕事をしてメンタルが強くても血を見ると気分が悪くなって最悪倒れてしまう人は一定数います
そういう人はたとえ妻が立会いを望んでも、正直に血が苦手なことを告げて出産が終わってから一緒に喜びを共有するほうがいいでしょう
それでも立会いを薦める理由
ここまで、立会い出産の過酷さばかりを説明してきました
- やることがない
- 居場所がない
- 血なまぐさい+便臭い
ということで、ロマンも何もない話ばかりしてきましたが、
そういった苦労を乗り越えてでも立ち合い出産をしてもらいたい
と私は思っています
では、立会いをおススメする理由は…?
一緒に立会えた経験は一生の財産になる
出産の痛みは共有できないけど、一緒に出産に立会えた思い出を共有できる
立会い出産を希望する人の多くの理由がこれではないでしょうか
出産を経験した妻は、痛みと苦しみで出産中のことはほとんど覚えていないみたいですが、陣痛から出産まで立会ったという経験は今から思い出しても泣けるくらい貴重な経験となります
子どもを抱っこするたびに
子どもにミルクをあげるたびに
その時の光景を思い出しては、妻や子供に感謝の気持ちを伝えたくなります
妻が安心できる環境を作れる…かも
初産は、夫以上に妻が不安を感じていると思います
そんな時、パートナーがそばにいることで安心できる人も多いんじゃないでしょうか
私自身、出産のとき何もできることはなかったですが、出産後妻から
「手を握って、声をかけてくれるだけでうれしかった」
と言葉をくれたので、立会って良かった、と初めて思えました
まとめ - 立会い出産については、夫婦そして主治医のしっかり話そう
立会い出産を経験して実際に感じたこと、
そしてこれから立会い出産をする人に向けて立ち合い出産を薦める理由についてまとめました
実際の立会い出産は
- やることがない
- 居場所がない
- 血なまぐさい+便臭い
と思い描いていた出産の現場とは大きく違うかもしれませんが、それでも
- 立ち会えた経験は一生の財産になる
- 妻が安心して出産に臨むことができる
など、メリットも多くあります
しかし、あくまで出産は妊婦さんとお腹の赤ちゃんが主役です
なので、立ち会いをするかどうかはパートナー同士しっかりと話し合った上で決めることが最適です
意外と立ち会いを望まない妊婦さんもいますし、ダンナさんが血が苦手であれば正直に言ったほうがいいです
そして何より私が伝えたいのは、立ち会いをすると決めたならば
主治医の先生や助産師さんに立ち合いを希望することを伝え
どのように立ち会えばいいかをしっかりと話し合う
ということです
実際に陣痛がきて、陣痛室に入ってから
- 立ち会う家族は、どこで待機していればいいか
- 事前に準備するものは何か
- 具体的にいきみ逃しはどのようにやるのか
- 帝王切開の時になっても立ち会いを可能かどうか(立ち会いを希望するかも含めて)
など、事前に相談しておくことはたくさんあります
病院によっては、後期保健指導(臨月に入る時期に助産師から出産・入院についての説明を行う)の時などに、具体的な説明があるかもしれませんが、きかないと答えてくれない病院もあるので、気になっている点はまとめて事前にきいておきましょう
すべてのお母さんお父さんにとって、より良い出産を迎えることを願っています